EVENT REPORT

Mar 2017

今のAIと向き合い、未来の可能性を知る

AIは未来になにをもたらすのか?

AIは未来になにをもたらすのか?

こうしたAIの基礎知識以外にも、AIによってもたらされる未来についての興味深い話をしてくれた中林さん。ここでいくつかご紹介しよう。


シンギュラリティは起こるのか?

「“人口知能は人間を超えるか?”というテーマで人工知能の研究者の方たちと議論したことがありますが、そもそもどんなロードマップでシンギュラリティが起こるのか論理立てて説明できている人がいませんでした。だから私は、皆さんもご自身の意見を持って良いと思っています。私の意見を話すなら、人間を大きく超えるほどのブレイクスルーは当面、技術的にはないのではないか、というのが見解です」。


AIは人の雇用を奪うのか?

「確かにAIの発展によって、減っていく職も多くなるかと思います。しかし、ドイツではAIは人の雇用を奪うだけではなく、10年で30万人の新しい雇用を創出するという見解を述べています。ただ、その内訳はいまとは大きく変わり、製造分野では60万人の雇用がなくなり、IT分野で90万人増えると予測しています。また、一気に雇用がなくなるのではなく、現在の仕事が徐々にAIにシフトしていくことになるため、人の教育や入れ替えは、これからもついて回る話となってきます」。


イベント終了後も「アウトプットの精度が悪かった時に、ブラックボックスをどう改善するのか?」「データセットを用意する事を専業とする会社が出てきたら差別化が起きないのではないか?」など活発な意見交換がおこなわれた。

<Mar.2016 植松 直樹(WAO事務局)>

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今のAIと向き合い、未来の可能性を知る

中林紀彦

SOMPOホールディングス(株)デジタル戦略部データ戦略統括チーフ・データサイエンティスト
2002年、日本アイ・ビー・エム株式会社入社。データサイエンティストとして顧客のデータ分析を多方面からサポートし企業の抱えるさまざまな課題をデータやデータ分析の観点から解決する。株式会社オプトホールディング データサイエンスラボの副所長を経て2016年より現職。重要な経営資源となった”データ”をグループ横断で最大限に活用するためのデータ戦略を構築し実行する役割を担う。また2014年4月より、筑波大学大学院の客員准教授としてデータサイエンスに関して企業の即戦力となる人材育成にも従事する。


SOMPOホールディングス(http://www.sompo-hd.com/)

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