ボードゲームで学ぶ いまさら聞けない税金のしくみ
人生に関わる必要な知識を、広く時系列で
「皆さんは“ライフ・リテラシー”という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?」
そう問いかけたのはライフリテラシー代表 加藤千晃さん。2006年から8年間、企業の管理部に勤務していた加藤さんは、仕事の中で税金や社会保障に関する知識を学べば学ぶほど、その複雑さに驚くようになったという。
「こんなに難しいことを誰にも教えてもらわずに分かるわけがない!」と思った加藤さん。そんな中、こうした生きていく上で大切な内容を複雑だからと諦めずに、多くの人が簡単に学べる方法がないだろうかと考え、思いついたのがゲーム教材の開発だった。約1年間の制作期間を経て2015年に完成。現在は教育機関への出張授業や社会人向けのセミナーを行っている。
“ライフ・リテラシー”とは加藤さんがゲームを開発する時につくった言葉だ。ライフは“人生・生活”、リテラシーは“知識や情報を持っていて、更にそれをきちんと使いこなせる力”を指しているという。
「年金は年金、健康保険は健康保険と分野ごとにそれぞれの専門家に聞くのが一般的かと思います。でも実際に生活していく上では、一つ一つの知識は浅くても、自分の人生に関わる制度や社会のしくみを広く時系列で知っていることの方が大事。そこでその概念を“ライフ・リテラシー”と名付けました。開発した『ライフ・リテラシーゲーム』は、一言でいうと“社会を学ぶ超リアルな人生ゲーム”です。色々なことに気づけるようにつくっているので、まずはみなさんに実際にプレイしていただこうと思います」。
楽しみながら社会のしくみを学ぶ
加藤さんの指示に従って使用するアイテムを準備し、グループごとにゲームスタート。
ゲームは基本的にすごろく形式で、参加者一人一人に健康保険担当、税金担当、労務担当などの役割が割り振られる。ゲームは、架空の人生を歩んでいく中で、重要な制度に関わるマスに止まると全員でテキストを音読し、税金や社会保障の仕組み、労務などの知識を学んでいく。
知識の重要度を「進む・戻る」マス目の数 や「休む」回数で感覚的に易しく学べる仕掛けがされている。また、プレイを通じて解りにくいことや苦手なことにも興味を持ちやすく、ゲームにするメリットは多い。約1時間かけて全グループが無事にゴール。ゲーム中はどのグループも終始盛り上がりを見せていた。
終了後にグループ内で気づきのシェアを行ったところ、「知らないことばかりだった」、「ライフステージごとに起こり得ることや制度を知らないと、必要な時に制度を使えない可能性があるので、今後も自分で情報を取っていかないといけないと思った」、「税金がなにに使われているのかに興味が出てきた」といった感想が聞かれた。
ボードゲームで学ぶ いまさら聞けない税金のしくみ
加藤 千晃
ライフリテラシー 代表
2006年より8年間、企業の管理部に勤務。労務・税・社会保障制度の知識の重要性を痛感し、ゲーム教材の構想を練る。
社会生活を送るうえでの基礎知識「ライフ・リテラシー」を提唱し、2014年12月「ひらつかフレッシュビジネスコンペ」にて事業認定。翌年、教材「入門!ライフ・リテラシーゲーム」開発。現在は教材販売・レンタルの他、教育機関や企業向けの出張授業、セミナーなどを行っている。
ライフリフリテラシーHP:
http://life-literacy.com/
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