企業と学生のコラボにより生まれる新しい市場価値
熱量を高めるための仕掛けづくり
3つめの気づきは、「場のデザインの工夫によって熱量が変化すること」だ。オープンイノベーションの場をデザインするには、4つの要素が重要になるという。
1つめの要素は、関わる人が誰かという点。Mono-Coto Innovationでは、中高生と企業、学生スタッフが関わっている。
「新たなものづくり・ことづくりのきっかけという目的に共感してもらうことがまず大前提で、それがずれていると満足度が下がることがわかりました」。
2つめの要素は、プログラムをどう組むか。予選の5日間のプログラムでは、4日目に壁にぶつかり、5日目の発表で壁を乗り越え学びに繋げられるように設計されている。
「目的に繋げつつ、参加者の気持ちがどう動くかをある程度考えていて、基本的には、上げ、下げ、上げで気持ちが動くように組んでいます」。
3つめの要素は、環境設計の仕方。非日常感を感じる空間づくりや、読みたくなる・書きたくなるテキストづくりなど、感覚的に楽しくなる工夫をさりげなく取り入れている。
4つめの要素は、それらの要素を回していくファシリテーターだ。現状と目標との乖離を見つけて、どうすればいいか仮説を立てて、チームに介入する役割を果たしている。
「オープンイノベーションの場づくりでは、これら4つの要素がうまくかみ合って初めて、熱量が高くなります」。
最後に、今後について西山さんに語っていただいた。
「Mono-Coto Innovationは来年も開催が決定しています。来年からは地域支援スポンサー企業も増やし、より全国の中高生に新たなものづくり・ことづくりのきっかけをつくっていきたいです」。
<Nov.2018 藤村 祥子(WAO事務局)>
企業と学生のコラボにより生まれる新しい市場価値
西山 恵太
株式会社 Curio School 代表取締役。京都大学経営管理大学院卒。大学時代は製品デザインを学び、前職は経営コンサルタントとしてデザイン思考を活用した新規事業開発・新製品開発プロジェクトに従事。2015年より子どもたちの創造力を育むCurio Schoolを設立。
OTHER ARTICLE
このカテゴリの他の記事