EVENT REPORT

Nov 2018

企業と学生のコラボにより生まれる新しい市場価値

デザイン思考を活用して、中高生が企業とコラボレーションによって「モノづくり」に取り組み、競い合う「Mono-Coto Innovation ~創造力の甲子園~」

このプログラムを主催する株式会社キュリオスクール代表取締役の西山恵太さんをお招きし、子供たちとチャレンジすることで気づかされるアイデアの視点や、運営するなかで気づいたオープンイノベーションを生み出すためのヒントなどを語っていただいた。

小学生の頃から固定概念が生まれているという危機感

小学生の頃から固定概念が生まれているという危機感

西山さんは大学時代、プロダクトデザインを専攻していて、JR西日本の車両インテリアのデザインコンペに応募したことがあるという。

「デザインには自信があったのですが、コンペは敗退しました。理由をきくと、たしかに見た目はかっこいいが、電車で一番求められるのは、コストや安心・安全の視点との回答。素晴らしいデザインをするためには、見た目だけではなく様々な視点が必要だと痛感しました」。

そこで、経営のことを理解していないと優れたデザインは生み出せないのではないかと考え、大学院では経営学を学んだという。

「卒業後は、経営コンサルタントの仕事に就き、経営とデザインの考え方をリンクさせることができないかと考えていました」と西山さん。

しかし、実際の企業のワークショップの現場では、どれだけ新しい刺激を与えても、参加者が自分の考えに縛られてしまい、いつも通りのアイデアしか出ないということが起こった。「40、50代のおじさんでは、面白いアイデアが生まれないのではないか」と感じた西山さんは、まだ固定概念ができる前の年齢ではどうかと、週末などの時間を使って、小学生向けにワークショップを始めたという。

“給食の時間をもっと楽しくするにはどうすればいいのか”というテーマで小学生向けにワークショップを行った時のことだ。その日のメニューは中華丼。ある女の子から、「うずらの卵が箸で食べにくいから、卵を四角にすればいい」と予想外の意見が出た。しかし、周りにいた男の子たちは「絶対無理」と言って否定した。西山さんが「四角いスイカもあるよ」と言っても、男の子たちは「卵は丸い。絶対無理」と彼女のアイデアを受け入れない。

「それを聞いて、小学校高学年の時点で、既に固定概念が生まれることに危機感を覚えました。小学生のうちから柔軟な発想や価値観を持つ人を育てたいと思い、3年前にキュリオスクールを立ち上げました」。

キュリオスクールが目指すのは、「自ら考え、行動する人を育てる」こと。実際の活動内容は、小学生向け、中高生向け、企業向けの3つに分かれている。今回は、このうち、中高生向けにおこなっている、企業とのコラボレーションの取組についてご紹介いただいた。

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企業と学生のコラボにより生まれる新しい市場価値

西山 恵太

株式会社 Curio School 代表取締役。京都大学経営管理大学院卒。大学時代は製品デザインを学び、前職は経営コンサルタントとしてデザイン思考を活用した新規事業開発・新製品開発プロジェクトに従事。2015年より子どもたちの創造力を育むCurio Schoolを設立。

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