EVENT REPORT

Nov 2016

<コミュニケーション×テクノロジー>が
一次産業の未来を変える

私たちの命を支える食。その生産現場で山積している課題解決に向けて、何ができるかを考えるため、一般社団法人 日本食べる通信リーグの理事であり、株式会社ポケットマルシェのCOOである本間勇輝さんを迎え、イベントを開催した。

30年後、僕たちは誰がつくった食材を食べているのか

30年後、僕たちは誰がつくった食材を食べているのか

30年後、僕たちは誰がつくった食材を食べているのか

イベントは本間さんの問題提起から始まった。

「1970年に1,000万人以上にいた農業就業人口は2016年現在、200万人を下回りました。さらには49歳以下の農業就業人口は25万人となり、農家の高齢化と減少は加速しています。こうした状況が続くと想定した場合、30年後の僕たちは誰がつくった食材を食べているのでしょうか。また、地域の生産者が築きあげてきた多様性ある日本の食文化どうなってしまうのでしょうか。本日は僕らの仮説を紹介しながら、30年後の一次産業に向けてなにを思い、なにができるかを一緒に考えていければと思っています」。

本間さんは「東北食べる通信」の創設メンバーでもある。

「東北食べる通信」とは、高橋博之編集長のもと、“つくる人と食べる人をつなぐ”ことを目的に2013年に東北から始まった食べ物付定期情報誌。いまでは東北だけではなく全国36(2016年11月現在)もの「食べる通信」が創刊されるまでに拡大している。

「『東北食べる通信』の始まりは、2011年に起きた東日本大震災の復興現場で見た、被災地の生産者と都会のボランティアの方との多くの出会いからでした。その出会いによって消費者は食が自分の食卓に届くまでのプロセスを知り、生産者は自分たちのつくっている食材がどうやって食べられるかを知ることで、自分たちの仕事の価値を再認識することになりました。こうした光景を見た僕らは、生産者と消費者の関係が分断されていたことに改めて気づき、“つくる人と食べる人”をつなぐことに一次産業の未来があると感じました。そうした原体験をカタチにしたのが『東北食べる通信』です」。

こうして始まった「東北食べる通信」は、読者限定の生産者とつながるFacebookグループの開設をきっかけにコミュニケーションがさらに活性化していった。

「Facebookグループの開設をしてみたら、毎月200~300ものごちそうさまのコメントが生産者に届いたんです。こうしたコミュニケーションの活性化はオンライン上だけではありません。読者が生産者の現地を訪ねて収穫を手伝ったり、生産者が都心に来てイベントを開いたりと、オフラインでのコミュニケーションまでに発展していきました。『東北食べる通信』は1500人限定で発刊していますが、その月次解約率はわずか2%ほどです。僕たちはこの結果に“つくる人と食べる人をつなぐ”ことによって起こる可能性を見出していきました」。

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<コミュニケーション×テクノロジー>が
一次産業の未来を変える

本間勇輝

本間勇輝

富士通(株)入社の後、(株)ロケーションバリューの創業に携わる。2006年取締役COO就任。2009年退社後(同社は2011年ドコモに売却)。その後、NPO法人HUGを創業し「東北復興新聞」創刊。2013年には NPO法人東北開墾を立ち上げ「東北食べる通信」を発行、現在は日本食べる 通信リーグを設立し、同モデルを全国に展開。2016年オンラインマルシェ「ポケットマルシェ」取締役に就任。
著書に「ソーシャルトラベル」「3YEARS 」。「東北食べる通信 」はGOOD DESIGN AWARD 2014の金賞を獲得。

東北食べる通信(http://taberu.me/tohoku/)
ポケットマルシェ(http://pocket-marche.com/)

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