EVENT REPORT

Sep 2018

SDGs目標12 「つくる責任つかう責任」 について考える
“捨て方をデザインする” ものづくりのイノベーション

社会課題は、人間がつくった課題

社会課題は、人間がつくった課題

社会課題は、人間がつくった課題

「循環を前提として情報を共有し、ビジネス化することが大事だと考えています」と、中台さんは語る。

新しいモノを生み出すことは、綿密な計画の下で実行されている。しかし、捨てるタイミングのマネジメントはほとんど行われていないのではないだろうか。モノを埋めるまでの時間を延ばすことを目指しても、廃棄に関する情報がないと、行動を起こすことができない。次に活かすことができない。

モノを回収して次に活かす仕組み「クローズド・ループ・システム」の事例を紹介してくれた。

ナカダイさんは東京冷機工業さんと連携して、自社が製造したエアコンを100%回収して、リユース・リサイクルする仕組みを構築した。情報連携のネットワークをつくり、収集、運送、産廃処理、事務局等の各関係事業者が連携している。このように、「つくる責任、つかう責任」だけでなく、「つくった後の責任、つかった後の責任」を果たすための仕組みが生まれてきている。

「事業というものは、なにかしらの社会課題を解決しています。しかし残念なことに、一方で事業は新たな社会課題も生み出します。これは、認識しておくべき事実です。知らないことは大きなリスクです。そして、知ったのに行動しないことも大きなリスクです。一方で、新たに生まれた社会課題を解決するために、新たなビジネスを生み出せる可能性があります」。

イベント終了後、参加者からは、「廃棄について自分はあまりにも無知だった」「個人として、会社として、どのようなアクションが取れるか考えてみようと思う」「“捨て方”を考えることで、新しいビジネススキームをつくり出せると感じた」など、多数の感想が寄せられた。


<Aug.2018 中澤亜希(WAO事務局)>
グラフィックレコーディング/鈴木あさみ

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SDGs目標12 「つくる責任つかう責任」 について考える
“捨て方をデザインする” ものづくりのイノベーション

中台 澄之

株式会社ナカダイ 常務取締役/株式会社モノファクトリー 代表取締役
1972年生まれ。東京理科大学理学部卒。証券会社勤務を経て、ナカダイに入社。
“リマーケティングビジネス”を考案し、“発想はモノから生まれる”をコンセプトに「モノ:ファクトリー」を創設。使い方を創造し、捨て方をデザインするビジネスアーティストとして、さまざまな研修やイベントなどの企画、運営を行っている。

株式会社ナカダイ http://www.nakadai.co.jp/
モノ:ファクトリー - 発想はモノから生まれる http://monofactory.nakadai.co.jp/
ブログ「ナカダイの産業廃棄物日記」https://www.axismag.jp/posts/serial/nakadai-notes

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