「森林と木と人の関係を考える」
森林が持つ多面的な機能
鳥羽さんは「森林」のことを考えるには、その多面的な機能をまず理解する必要性があるという。日本の森林は国土の約7割を占め、人々の様々な生活や文化と切っても切り離せない関係にある。そのため、森林問題を考えるとき、一面的に問題を捉えると、まさに「木を見て森を見ず」となってしまうと話す。
「森林は大きく分けて8つの機能を持っているといわれています。『生物多様性の保全機能』、『地球環境保全機能』、『土壌保全・土砂災害防止機能』、『水源かん養機能』、『快適環境形成機能』、『保健・レクリエーション機能』、『文化・教育機能』、そして『物質生産機能』です。このことを踏まえて、まず気に留めてほしいことが、“森林には8つの多面的機能があること”、“森林の機能は複雑系であり、それぞれが相互影響していること”、そして“複雑系の課題解決には短期的だけでなく長期的なアプローチも必要ということ”です」。
一口に森林といってもたくさんの機能があり、その中の1つの問題を解決しようとすると別の面で問題が出てくる。そのように、複雑に入り組んでいるのが「森林問題」なのだ。
「森林と木と人の関係を考える」
鳥羽 真
Like Bla Re(ライクブラリー)主宰。(株)八幡ねじにて技術営業職にて大手メーカー担当。退社後、岐阜県立森林文化アカデミー木造建築スタジオ、京都大学院生存圏研究所生活圏構造機能分野研究生、同研究所技術補佐員を経て、設計事務所勤務とコンサルタント事務所に参画、木造建築物の設計や滞在型の農園開発、首都圏での農作物の販売等に従事。2012年11月に独立。現在は中央区の森環境ふれあい村推進協議会協議委員、NPO法人日本橋フレンド理事、任意団体石巻・川の上プロジェクト副運営委員なども歴/在任。
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