EVENT REPORT

Oct 2017

~現代美術家と考える~これからの「アート市場」

アートによって拡げる可能性

アートによって拡げる可能性

大村さんは、アートは一部の才能ある人間がクオリティの高いものをつくるという時代は、もう終わったという。大村さんがおこなっている企業とのコラボレーションやワークショップなどの活動には、こうした固定概念を払拭し、現代アートがいかに幅広く面白い世界になっているか、ということを知ってもらいたいという想いがあるのだ。

「私は自分の作品を通して、“誰でもアーティストになれる”ということを主張しています。実際、このシールを貼るという、最低限の技術だけで私の作品は成立しています。つまり現在のアートは、技術よりもコンセプトや発信力の強いものがより評価されるようになっています。発想さえ面白ければ、アートはつくれるんです。日本や世界には、数えきれないほど面白いことを発想し、カタチにしている人々がいます。そのカタチが自分からかけ離れていればいるほど、それに触れることで視野が広がり、社会で新しい可能性をみつけるチャンスになります。是非この現代美術という世界を知ってください。過去のモダンアートや近代アートの知識は必要ありません。私の作品をみて感動してくれたときの感覚が皆さんにあれば、もうどの作品も見ることができます」。

大村さんのトーク終了後は、参加者からの質問に答えるクロストークが行われイベントは終了した。参加者からは「大村さんの話をきっかけに自分でも日本の現代アートについて調べてみようと思った」、「現代アートのイメージが変わり、身近に感じた」、「企業としても日本のアート市場を発展させていくことが、新規事業創出のきっかけにもなる」などの感想が多く寄せられた。



<Oct.2017 小出 伸作(WAO事務局)>

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~現代美術家と考える~これからの「アート市場」

大村 雪乃

現代美術家。2013年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業。在学中より文房具の丸シールで夜景を表現する絵画を発表し、素材の意外性とビジュアルの美しさで2012年Tokyo Midtown Awardのアート部門にて入選・オーディエンス賞を受賞。
現在は、丸シールで絵を描く独自の発想で夜景を中心に表現していくと共に、シールを貼るだけで絵を描くワークショップを開催して多くの人に表現する楽しさを伝えている。

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