~自分たちの知らない世界を知る~
難民の人たちと話して知る、自分たちの知らない日本とは
“知った”ことで何ができるのか
その後、グループに別れてワークショップを実施。各グループに難民の方が1人ずつ入り、直接会話することで参加者は理解をより深めながら、話し合っていった。
ディスカッション後のシェアでは、「国籍や状況不問で働ける社会にしたい」、「仮放免の状態で働くことができない難民に対して、貨幣価値ではなく、モノや食事など直接価値を渡せる仕組みをつくれないか」、「今日知ったことを家族や友人に話して、まずは難民の皆さんが置かれている状況を知っている人を増やす」といった様々な意見が挙がった。
最後に難民の皆さんからも感想をいただく中で、Dさんがこう語ってくれた。
「今日は僕たち4人だけでなく、難民全体にとって成功の日だったと思います。多くの人が何をしていいのかわからないとう中で、コミュニケーションを通じてなにかを感じたと思いますし、これをきっかけに、なにかが始まると思うからです。本当にこの機会を設けてもらったことに感謝します。ありがとうございました」。
私たちの日ごろの生活からは想像もできないような、しかし身近なところに存在している“知らなかった世界”を知った参加者たち。「自分が難民に対して間違ったイメージや偏見を持っていたことに気づいた」、「知らないことが多かったので、改めて調べてみたい」、「難民と日本、難民と自分の関係を考えるきっかけになった」、「今回知った事実を拡散することの大切さに気づいた」といった感想も聞かれ、イベントは盛況のうちに終了した。
<Mar.2019 鈴木 潤子(WAO事務局)>
~自分たちの知らない世界を知る~
難民の人たちと話して知る、自分たちの知らない日本とは
渡部 清花
NPO法人 WELgee代表 / 東京大学大学院生
1991年、静岡県生まれ。様々な背景を持つ子どもたちが出入りするNPOの実家で育つ。大学時代はバングラデシュの紛争地にてNGOの駐在員、国連開発計画(UNDP)のインターンとして平和構築プロジェクトに携わった。2016年に日本に来た難民申請者の社会参画とエンパワーメントを目指すWELgeeを設立。2018年NPO法人化。空き家活用型シェアハウス事業や経験・スキルを活かした就労事業に取り組む。自身も難民と暮らす。英語より得意なのはバングラデシュの先住民族語(日本人で2人しか話せない言語)!
グローバル・コンソーシアムINCO主催『Woman Entrepreneur of the Year Award 2018 (女性起業家アワード2018)』で、グランプリを受賞。Forbes 30 under 30のJapanとAsia にて選出。東京大学大学院 総合文化研究科・人間の安全保障プログラム 修士課程在学中。トビタテ!留学JAPAN一期生。内閣府世界青年の船事業第24回代表青年。
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