Jリーグの「アジア戦略」からみる、スポーツビジネスの可能性
現場にある価値を広げていく
こうしてアジア戦略を進めていくなか、山下さんはJリーグの魅力、価値に気付いたという。それは「“涙”と“笑顔”です」と、山下さんは試合会場で撮影したサポーターの表情の写真をスクリーンに映す。
「こうした“涙”と“笑顔”が生まれているのは地元にクラブが存在するからです。アイデンティティを感じられるクラブだからこそ、ここにある写真のように、年配の方から小学生までが、同じ感情になり喜びや悲しみを共感することができる。こうした共感によって家族や近所での会話が生まれたりする。ここにJリーグの価値があると思います」。
メディアに載っている試合の内容や勝敗による価値は氷山の一角であり、実際に現場で起きている光景にも価値がある。こうした価値を日本全国に広げているのがJリーグだと山下さんは自信を持って話す。
「この価値をアジア、さらには世界へと広げていきたい。そして、広げるためには地域のクラブ経営を持続させなければならない。クラブの経営が成り立っていくことによって、地域の人の笑顔が増えるようにしていきたい」。
山下さんのトーク終了後は、参加者からの多くの質問や感想が交わされ、イベントは大盛況のうちに終了した。
<Jan.2019 小出 伸作(WAO事務局)>
Jリーグの「アジア戦略」からみる、スポーツビジネスの可能性
山下修作
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ パートナー事業部部長 兼 国際部部長。北海道大学大学院修了。リクルートで営業、編集、企画、新規事業立ち上げ、ウェブメディアのリニューアル、プロモーション、マーケティング等に携わる。2005年より、Jリーグ公認ファンサイト「J’s GOAL」の運営やJリーグのウェブプロモーション事業に従事。2012年より、Jリーグアジア戦略室室長としてアジアを中心とした国際戦略を展開。2016年よりJリーグ国際部長、本格的にアジア戦略を推進する。2017年4月より株式会社Jリーグマーケティング専務執行役員。国内および海外事業を手掛ける。2019年1月より公益社団法人 日本プロサッカーリーグ。
OTHER ARTICLE
このカテゴリの他の記事