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~女性サッカーチームと学び・考える~ 女性のヘルスケアとパフォーマンスの最大化
組織としての取り組み
「企業側に求められる取り組みとしては、休暇制度や多様な働き方の整備、制度利用のためのアナウンスなど。必要なのは“配慮よりも理解”です。意見を聞かずに過度に配慮してしまうことや、反対にそっとしておこうと関わらないことはトラブルのもとになりやすいです。一方、当事者である従業員側は、自身の体調管理や不調時の課題の抽出・共有など。“理解を得るための主張”をしっかりしてくことが大事です」。
それでは、女性サッカーチームである大和シルフィードでは、どのようなコミュニケーションや管理体制がとられているのだろうか。
大和シルフィード代表の大多和亮介さんを介して、リモートで参加している監督の高橋和幸さん、選手の皆さんに話を伺った。
まず、濱本まりん選手が、新ユニフォームの色を決める際の選手とスタッフのやり取りを教えてくれた。
「スタッフ側はチームカラーのオレンジで上下統一したいという想いがあるなか、選手としては、月経時のリスク回避のために、どうしてもズボンは黒が良いということを伝えました。実際、チームの選手からは”よく言ってくれた!”と好評です」。
こうしたやり取りは一例だが、闇雲な配慮ではなく、チームが当事者側の選手に聞き取りを行い、自由に発言できるような関係性を築けている。
実際、男性監督である高橋監督も、女性チームを率いるにあたって、一番に配慮しているのがコミュニケーションだという。
「言葉づかい、距離感などコミュニケーションの取り方は一番難しいですね。ヘルスケアに関しては、私自身も理解して選手の体調管理をしなければいけないことですが、踏み込めない部分もあります。チームには女性スタッフもいるので、うまく間に入ってもらいながら、一人一人を見て、会話をするということを心がけています。」。
濱本選手も、チームとしてのコミュニケーションの大切さを感じている。
「男性監督は、愛のある指導として声を荒げることもありますが、選手によっては拒否感があることもあります。性別にかかわらず、相談しやすいポイントは、人間性や雰囲気が大事だなと感じています。また、身体の詳しいことは、男性に相談するのが難しい場合もあるので、女性の指導者やスタッフに伝えることでスムーズにいっています」。
直接のやりとりではなくても、チームとして体調やパフォーマンスの管理をしていくことで、全体がうまく機能しているようだ。
スポーツチームの中には、集団で健康を管理するアプリが導入されることも多い。指導者に直接伝えにくいことも、アプリに入力することで一元管理が可能になっている。チーム全体で閲覧できるので、言った・言ってないという問題も起きず、管理がしやすく、選手も自分の体調を申告しやすい。指導者が変わった際にも、対応しやすいという利点もある。
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~女性サッカーチームと学び・考える~ 女性のヘルスケアとパフォーマンスの最大化
大和シルフィード
1998年創立の女性サッカーチーム。
2022年なでしこリーグ2部に参戦。プロリーグ「WEリーグ」参入を目指しプロ化中。2011年W杯優勝メンバーである川澄奈穂美選手や上尾辺めぐみ選手らを輩出。
神奈川県、大和市とともに、フットボール強化と社会課題の解決(ジェンダー、平等、等)の両立を目指した活動を実践している。
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