絵本を通して子どもの好きを広げる
「conoco terrace(コノコテラス)」
子どもの「個性」で絵本をキュレーション
親と子のコミュニケーションのひとつでもある絵本。プロジェクトは、この絵本を活かすことで、子どもの個性と成長に寄り添い、子どもの脳力を伸ばすことができないかと考えた。
「子どものためにどんな絵本を読んでいいかわからなく困ることがあります。書店ではベストセラーの絵本が並んでいますが、ベストセラーという冠ではなく、一人ひとりの子どもに合った絵本を見つけたいと思ったんです」と話すのは、自身も母として子育てと奮闘しているプロジェクトメンバーの一人、中村佳香さん(凸版印刷)。
そして、メンバーは早稲田大学教育・総合科学学術院の本田恵子先生協力を得て、「8つの脳力指標」に基づいた選書システムを開発し、我が子の個性に合わせた絵本を提案し、届けるサービス「conoco terrace(コノコテラス)」をつくりあげた。
「conoco terrace」が届けるのは絵本だけではない。絵本の解説と絵本を遊びつくすためのアクティビティを掲載した「オリジナルガイドブック」も一緒に届けることで、子どもの“好き”を大切にしながら、脳力を伸ばしていくことを可能にしていく。
ユーザーの共感によって確信する可能性
80名ほどの子育てユーザーを対象としたテスト展開では、84%のママ・パパから高い満足評価を獲得。「子どもの可能性に気付かされた」、「今までは自分では選ぶことがないタイプの絵本が届き、親子で楽しく繰り返し読んでいます」など嬉しい反応があったという。
「テスト展開を経て、子育てへのポジティブなマインドチェンジ、絵本の新たな価値発見といった体験を提供することができました」と中村さん。
子どもの‟好き“を未来の‟力”へと育む
現在、プロジェクトは、本格的なサービス化を目指し、さまざまな業界の方たちとの連携をおこないながら活動をおこなっている。7月には一般消費者に向けたテスト販売を開始(https://conocoterrace.jp/)。今後は、イベントなども積極的におこない「conoco terrace」の理念に共感いただける人たちを増やしていくという。
「子ども自身の“好き”を大切に、自分を強く信じ、自分らしく成長していくためのツールに『conoco terrace』が成っていくことを目指しています」と中村さんは話す。
<July.2018 小出 伸作(WAO事務局)>
PROJECT
童顔
凸版印刷主催の新規ビジネスコンペティション「HOT BIZ」から生まれたプロジェクトチーム。脳科学や心理学の専門家、幼稚園や保育園の先生、育児中のパパママ、ブックデザイナー、アーティスト、絵本作家、多様な経験・背景を持ち合わせた「子どもの好きを広げたい」という強い想いをもった有識者・経験者が参画。
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