競技に合わせた食事の栄養バランスが手軽にわかる「GO!GO!ごはん」
アスリートにとって食事はからだづくりのための栄養素摂取であり、コンディションを整える重要な要素だ。
一般のスポーツ愛好者や学生・ジュニアアスリートが、自身に必要な栄養摂取量の把握からコンディショニングまでを手軽に行える環境をつくり、競技力の向上に貢献したい。そんな想いから生まれたのが「GO!GO!ごはん®オンライン栄養診断」だ。
「GO!GO!ごはん®オンライン栄養診断」は、アスリートが食事の栄養バランスをスマートフォンで手軽に診断し、公認スポーツ栄養士によるアドバイスを受けることができるサービス。あらゆる世代・競技で勝利を目指す選手や、成長期のジュニア選手を持つ保護者を支援していくことを目指している。
メンバーの原体験をベースにしたサービス開発
アスリートのコンディショニングにおいて重要な要素のひとつでもある食事。しかし、これまで一般のスポーツ愛好家や学生・ジュニアアスリートが適切な食事・栄養摂取の管理をすることは難しかった。
「スポーツの競技種目は多岐にわたり、身体活動量に大きく差があることから、一つひとつの競技に適した基準値を設定することが困難という課題がありました。また、アスリート自身が必要な栄養摂取量を把握しコンディショニングをおこなうには、専門性を持つ栄養士などの指導が最適ですが、一般のスポーツ愛好者や学生・ジュニアアスリートは専門的な知識を得る機会の獲得が乏しいことから、食事・栄養摂取の管理が難しく、時にはそれが起因して怪我などにつながる恐れもあります」。
こう話すのはプロジェクトメンバーの野澤香央里さん(凸版印刷)。野澤さんは、自身の妹さんがかつてジュニアアスリート時代に食事管理面で苦労する姿を近くで見ていたこともあり、同じような悩みを持つ人たちの支援ができないかと考えた。
そして、公認スポーツ栄養士の松本 恵氏(NPO法人日本スポーツ栄養学会理事、日本大学文理学部体育学科教授)監修のもと、「アスリート向け栄養摂取目安ロジック」を独自に開発。このロジックを用い、アスリートが身体情報や競技特性によって自身に適した食事の栄養バランスを確認できるサービス「GO!GO!ごはん®オンライン栄養診断」をつくりあげた。
具体的には、利用者が3日分の食事をマイページに登録をすることで栄養分析を行うほか、競技に応じた食事のタイプ診断やモデル献立の提案、公認スポーツ栄養士・管理栄養士によるパーソナルアドバイスを手軽に受けることができる。本サービスを通じた手軽な食事の栄養バランス管理により、あらゆる世代のアスリートにおける競技力、コンディションの向上を目指す。
独自開発した「アスリート向け栄養摂取目安ロジック」
前述の松本 恵氏監修のもと開発した「アスリート向け栄養摂取目安ロジック」は、競技特性や選手の身体情報により、自身に適した食事栄養バランスを確認することができる。
「2015年から開始した日本大学との共同研究では、100名の運動部の学生にこのロジックによるシステムを利用した食事管理をおこない、87%の学生の栄養状態が改善しました」と野澤さん。
また、このサービスのもう一つの魅力は、日ごろからスポーツ選手の栄養サポートをおこなう公認スポーツ栄養士・管理栄養士といった専門家に直接相談ができ、アドバイスをもらえることだ。
「オンライン上で自由に質問が可能で、選手一人ひとりの悩みや目標に応じた食事のアドバイスを受けることができます」。
食と栄養面でアスリートを育む
現在、プロジェクトはさまざまな業界の方たちとの連携しながら活動をおこなっている。今月には一般消費者に向けたβ版を公開し、2020年9月末までの約7か月間実証実験をおこなう(https://gogo-gohan.com/service/)。
<オンライン栄養診断「ベーシック」>
価格:3,000円(税抜)/1回
主な提供内容:①食事タイプ診断
②栄養分析
③モデル献立
④栄養アドバイス・1ヵ月間のオンラインサポート
<オンライン栄養診断「ライト」>
価格:500円(税抜)/1回
主な提供内容:①食事タイプ診断
②栄養分析
③モデル献立
※価格は、本実証期間中のおためし価格となります。
※オンライン栄養診断「ライト」は専門家による④栄養アドバイス・1ヵ月間のオンラインサポートは含まないプランです。
また、β版では栄養診断結果に応じ、スポーツクラブを運営する株式会社ルネサンスと連携して、ナッシュ株式会社が提供する栄養バランスにこだわった宅配弁当「nosh(ナッシュ)」の注文が可能。株式会社タスカジが提供する家事代行マッチングサービスも依頼することができる。
実証実験をふまえて利用者のニーズ抽出や運営方法の改善などをおこない、2021年春から本サービスの提供開始を目指す。
<Feb.2020 鈴木 潤子(WAO事務局)>
PROJECT
Food Business Labo
凸版印刷主催の新規ビジネスコンペティション「HOT BIZ」から生まれたプロジェクトチーム。公認スポーツ栄養士をはじめとする栄養学やスポーツの現場で活躍する専門家など、「アスリートを食事で応援したい!」という想いを持つメンバーが参画。
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