PROJECTS

Oct 2016

新たな農業の継ぎ方を考える

都心の企業で働く‟農家のせがれ“を中心に結成した「西山農園」。

プロジェクト名のもとにもなっているリーダーの西山さん(凸版印刷)の実家は群馬県でりんご農家を営んでいる。

実家を離れ、都心で暮らす西山さんは「実家の農業が廃れていくことをなんとかしたいが、いまの都心で築いている生活は大事にしたい」という“わだかまり”を抱えていた。

そして、この“わだかまり”が発端となり、「西山農園」のプロジェクトは動き出す。

都心で働いているから何もできないのではなく、都心で働いているからこそできることがあるのではないか。メンバーがおこなったのは親が作る農作物にストーリーを付けて届けるプロジェクトだった。

「企業」で働いているからこそできること

「企業」で働いているからこそできること

「都心で働きながらも実家の農家を手伝うことはできないか」。

今すぐ実家に帰って「生産」の手助けをすることはできないけれど、都会で働いているからこそできることもあるはず。

こうした考えをもとに、農業のためにできるアプローチの模索が始まった。

そしてメンバーが考えた取り組みは、働くことでで培ってきたスキル・知識・人脈を活かし、実家の農作物にストーリーBOOKを付けて販売する方法であった。

自らが売ることによって、農業との距離を縮めていく

自らが売ることによって、農業との距離を縮めていく

「西山農園」の活動は、取材~制作~販売までもおこなっていく。

「ただ、ストーリーを作るだけでは農家の人の気持ちはわからない」というメンバーの意思のもと、都心のマルシェを中心に自らで販売。

また参加メンバーからは、こうした「現場」で売るという経験は、自身の日頃の仕事にも活かすことができる貴重な経験にもなっているとの声もあがっている。

農家のせがれが集まることで広がる可能性

農家のせがれが集まることで広がる可能性

「西山農園」は、「ツギカタ」という新たな名称で次のステージに進む。

「自分たちのように“わだかまり”を抱えながら、都心で働く“農家のせがれ”は多くいると思います。そういった人たちが集まって、自らのスキルを活かしていければBOOKという手段以外でのストーリーを伝える可能性が広がっていくと思います」と西山さんは話す。

今後は、社内外の仲間を集め、せがれたちをつなぎ、想いを具現化する場として機能していくことで、これまでの生産を継承するだけではない「新しい農業の継ぎ方」を模索していくという。

<Oct.2016 小出 伸作(WAO事務局)>

PROJECT

西山農園

イメージ1

2013年度に社内の風土改革プロジェクトで集まった、りんご農家と米農家のせがれ二人が結成。活動をおこなうことによって、農家のせがれだけではなく、カメラ、クリエイティブなど様々な分野で活躍するメンバーがプロジェクトに参加。


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