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Feb 2017

“出会い”によって生まれるイノベーション

本間勇輝( 株式会社ポケットマルシェ  取締役COO )

一次産業が直接消費者へ情報を発信し、つくる人と食べる人がつながっていくことで、どのような時代がやってくると想像しますか。

一次産業が直接消費者へ情報を発信し、つくる人と食べる人がつながっていくことで、どのような時代がやってくると想像しますか。

(本間氏)つくっている人を知っているものを食べることが当たり前になる時代がくるかと思います。

そうした時代では、ブランドといわれるものもテレビなどのマスメディアで紹介されただけで構築されるのではなく、つながりの先にブランドが構築されていくのではないかと。

そうなると、消費行動の在り方も変わりますよね。たとえば、「あまおう」というイチゴのブランドではなく、田中さんがつくった「あまおう」が高く売れるという時代になってくるようになるのではないでしょうか。

ADVISE

新事業創出に向けた本間さんからのメッセージ

事業を創出する“成り行き”の大義名分

“出会い”によって生まれるイノベーション
“出会い”によって生まれるイノベーション

「事業を手掛けるきっかけは“成り行き”でもいいと思います」

「東北復興新聞」、「東北食べる通信」、「ポケットマルシェ」などの多くの事業を手掛けている本間さんに事業を立ち上げるために必要なことを聞くと、こんな意外な応えが返ってきた。

この応えの背景には、起業家には2つの軸があるという本間さんの考えがある。

「起業家には“なぜそれをやるのか、どんな課題があるのか”といったWhyのもとにヴィジョンを掲げていく『Why型』と、“自分がどうありたいか”といったHowのもとにヴィジョンを掲げていく『How型』といった2つの軸があるかと思います。そして、『How型』の人は『Why型』の人と比べて、漠然とした考えのため、事業の大義名分を探したくなりますよね。けど、自分がどうありたいかさえを持っていれば、無理に探す必要は無いと思いますよ」。

そう話す、本間さん自身も「How型」のタイプだという。しかし、「How型」が行動に起こすために必要なことは“出会い”だと、自身の経験を重ね教えてくれた。

「『東北復興新聞』のときも、復興現場で活動する一人の被災者に心を打たれて、彼の活動に対して自分ができることを始めました。『東北食べる通信』も同じです。高橋という男に出会い、彼の夢を一緒に実現したいという想いが行動となりました。『How型』の人はやりたいことは漠然としながらも“自分がどうありたいか”という想いさえ持っていれば、自分が探していた未来の種を持っている人に必ず出会える。そこで、その人たちと自分ができることを重ねたときに、事業が生まれてくることもあります」。

本間さんは、自分がどうありたいかさえを持っていれば、自分が想像する未来をつくっている人に必ず出会い、その未来に賭けることも、事業をおこなうにあたっての立派な大義名分になると話す。

本間さんがいう“成り行き”の意味することとは、「成りたい自分に会いに行く」ことなのである。

関連記事:<コミュニケーション×テクノロジー>が一次産業の未来を変える

<Feb.2017 小出 伸作(WAO事務局)>

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PROFILE

本間勇輝(株式会社ポケットマルシェ 取締役COO)

富士通(株)入社の後、(株)ロケーションバリューの創業に携わる。2006年取締役COO就任。2009年退社後(同社は2011年ドコモに売却)。その後、NPO法人HUGを創業し『東北復興新聞』創刊。2013年には NPO法人東北開墾を立ち上げ『東北食べる通信』を発行、「その後日本食べる 通信リーグを設立し、同モデルを全国に展開。2016年オンラインマルシェ「ポケットマルシェ」取締役に就任。
著書に『ソーシャルトラベル』『3YEARS 』。『東北食べる通信 』はGOOD DESIGN AWARD 2014の金賞を獲得。


東北食べる通信(http://taberu.me/tohoku/)
ポケットマルシェ(http://pocket-marche.com/)

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