星野リゾートはなぜ強いのか?
星野リゾートの核心「現場力」の創り方
現場力の創り方③「醍醐味満喫」
ポイントの三つ目は「醍醐味満喫」。
「星野リゾートで働くメンバーの仕事に対する醍醐味というのは、何よりもお客様に喜んでもらうことです。しかし、従来の宿泊施設で採用されている縦割り業務では、各業務が分断されていて、お客様に何かしようと思っても、実行しづらく、時にはストレスを感じ、仕事が楽しくなくなってしまいます」。
そこで星野リゾートは、社員が醍醐味を存分に感じられるチーム運営をしていくことを重視し、お客様の滞在に合わせて、様々な役割にまたがって仕事をするという働き方をとっている。例えば、午前シフト社員は、まず朝食の仕込みや調理などを行い、その後チェックアウト業務、客室清掃などをしていく。一方、午後シフトの社員は、パブリック清掃から始まり、夕食仕込み、チェックイン業務、夕食の調理やサービスなど、1日のなかで様々な仕事を行う。
このように様々な役割を担うことで、各部門に承認や相談をせずとも、お客様の要望や質問に応えられ、お客様の満足度にも繋がり、チームも進化していくという。
「こうした働き方は、業務の忙しい時間に合わせて各部門に人員を配置でき、お客様の満足度向上を実現すると同時に、各スタッフのサービスの幅を広げていくことにも貢献しています。先ほどお話した星のやバリの社員が、チェックイン時に誕生日に気付いた際、レストランに予約が入っていることがすぐわかり瞬時に対応できたのも、様々な役割を担っていたからです」。
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星野リゾートはなぜ強いのか?
星野リゾートの核心「現場力」の創り方
伊藤 靖兼
株式会社星野リゾート・経営企画
1984年生まれ。大学卒業後、㈱星野リゾート入社。「リゾナーレ八ヶ岳」で接客業務などの現場業務を経験したのち、星野代表のアシスタントを務める。社内での立候補制度を利用して発表した事業戦略立案が認められ、入社5年目で温泉旅館ブランド「界 阿蘇」の総支配人となる。その後、2017年には星野リゾートグループ初の海外での開業となる「星のやバリ」の開業に総支配人として携わった。現在は経営企画部門に所属。
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