EVENT REPORT

May 2018

脳科学で解く 子どもの自己肯定感をはぐくむ子育て

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは

「怒り」とは、欲求がかなわない時に発生するネガティブな感情(一次感情)が解消されないまま積み重なり、それが二次感情として発露することだ。そのためアンガーマネジメントでは、一次感情のもとになっている欲求を理解し、適切に表現する方法が大事という。

「子どもが怒った時、二次感情だけで判断せずに、まずは子どもの欲求が何だったのか、そしてその欲求のためにどんな工夫ができるか一緒に考えてあげることが大切です」。

「怒り」とは、欲求がかなわない時に発生するネガティブな感情(一次感情)が解消されないまま積み重なり、それが二次感情として発露することだ。そのためアンガーマネジメントでは、一次感情のもとになっている欲求を理解し、適切に表現する方法が大事という。

「子どもが怒った時、二次感情だけで判断せずに、まずは子どもの欲求が何だったのか、そしてその欲求のためにどんな工夫ができるか一緒に考えてあげることが大切です」。

子どもがアンガー状態だからといって親が怒ってしまうと、子どもの脳内では他者の動きをまねる神経細胞の「ミラーニューロン」が活性化され、子どもは怒りを返してしまう。だからまずは親自身も自分のアンガーマネジメントをおこない、子どもの気持ちを受け止めてあげなければならないという。

親から見た事実と子どもから見た事実は違います。決めつけられると子どもは事実を話せなくなり、親も子どもの欲求がなんだったのか、そしてそれに対する適切な行動はなんだったのかを示すことができません。だから子どもの事実を聞いてあげることが重要です」。

そして、気持を受け止めたうえで、言葉のキャッチボールをする。その時に、問い詰めてしまったり、否定的になったり、親の経験で問題を解決してしまったりなどすると、子どもが心を閉ざしてしまう場合があるので、話し方には気を付けなければならないと本田先生は教えてくれた。

また、2回以上感情を受け止めても落ち着かなかったらタイムアウトを取ることも重要だという。ほったらかしにすると子どもは不安になるので、5分くらいのタイムアウトで十分だそう。

「とにかく子どもの気持ちを受け止めましょう。そして気持ちを言葉にしてあげる。そういう感情の言葉は親からかけてあげる。そしてその欲求に対する行動を示して一緒に考えていくんです」。

イベントはその後、会場からの子育てに関する感想や質疑が交わされ、大盛況のうちに終了した。参加者からは「ケーススタディが分かりやすく自分の子どもの育て方の良い点・悪い点がわかって安心した」、「反省して考え直すきっかけになった」、「アンガーマネジメントは子どもに限らず適用できる考えで、良い学びになった」などの感想が多数寄せられた。


<May.2018 河村 茉衣子(WAO事務局)>

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脳科学で解く 子どもの自己肯定感をはぐくむ子育て

本田 恵子

早稲田大学教育・総合科学学術院教授。脳科学を生かして幼児から大人まで、一人一人の個性に合わせた学習方法やソーシャルスキル教育、アンガーマネジメントなどを実施している。米コロンビア大学院でカウンセリング心理学博士号を取得。著書に絵本『いまじん』『いまじん2』『ぱんだえほん』(梧桐書院)をはじめ、日能研共著『脳科学を活かした授業をつくる』(みくに出版)がある。

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