若者の感性から未来をデザインする方法(後編) ~若者起点の価値創造~
ワカモン流プランニングを疑似体験
ここまでの説明を聞いた上で、普段吉田さんたちがおこなっている“学生のインサイトを読み解いて仮説を立てる”プロセスを疑似体験すべく、イベント後半では実際にβutterflyでおこなったフィールドリサーチテーマを使ってアイディエ―ションワークを以下の手順でおこなった。
❶学生のフィールドリサーチレポート原票の読み込み(10分)
❷シートを俯瞰して捉えた時に浮かび上がってくる<設定テーマ>に対する「価値観の潮目」を仮説化してみる(15分)
❸その「価値観の潮目」が、若い人だけでなく全世代/国民/社会に波及するだろうと仮定した時に、凸版印刷が何を価値提供できるかを強制発想してみる(10分)
これらを考える上での補助線として、ワカモンの「思考法」の中から“仮説化”のパートを取り上げ、仮説を立てる上で重要となるインサイトへの迫り方と、そこからどう展望を考えてくのかについてもご紹介いただいた。
ワーク終了後、参加者からの質疑にも丁寧に回答してくれた吉田さん。
「ワークの時間が若干足りなくて不完全燃焼の方もいると思いますが、一通りやってみていただいたことで僕の話したこと体感的にご理解いただけたのではないかと思います。冒頭でお話しした通り、社会全体がこれからどういう方向に変わっていくのかということを若者を象徴に考察するという考え方に基づいて、我々はいつもこんな感じでコンセプト立案をしています。皆さんが出した仮説も、別に若者に限った変化ではない可能性が高いと思います。でも若い人を見ているとそれが如実にわかるという意味で、それをプランニングに活かすということを疑似体験してもらいました」。
参加者からは「非常に中身のある内容でした。実態の把握、事象の理解、意識の掘りなど、展望予測の方法を短い時間で知ることができた」「非常に内容の濃いイベントで、考え方や発想の手法が知れてとても参考になった」「若者の思考を読み解く手法に初めて触れた。ねじれを解く。新しい視点で新鮮だった」といった感想が寄せられ、イベントは盛況のうちに終了した。
<Sep, 2021 鈴木 潤子(WAO事務局)>
若者の感性から未来をデザインする方法(後編) ~若者起点の価値創造~
吉田 将英
㈱電通 電通ビジネスデザインスクエア コンセプター
前職広告代理店にてクライアント企業のブランド戦略立案に従事した後、2012年電通入社。社会や組織の課題をそこに関わる全ての人のインサイトと関係性に着目して解決する「関係性デザイン」を専門とする。特に若者世代のインサイト研究を得意とし、電通若者研究部のメンバーとして10~20代の若年層の心理・動向分析とそれに基づくコンサルティング/プランニングに従事。「電通若者研究所(通称ワカモン)」メンバー。
電通ビジネスデザインスクエアでは経営者のパートナーとして、企業の未来創造にまつわるプロジェクトを多数手がける。著作に『若者離れ』(エムディエヌコーポレーション)、『なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか』(宣伝会議)
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