ナイトタイムエコノミーの変化によって生まれる新市場
“夜の体験”のポートフォリオをつくる
2019年度は観光庁のナイトタイムエコノミー政策が2期目となり本格化。実際にナイトタイムエコノミーがどのような事業に繋がっていくのかを検証するため、事業の採択と推進を行うモデル事業と、インバウンド観光の可能性と日本のナイトエコノミーの実情を把握するための調査事業がおこなわれている。斎藤さんは今期の事業に合わせてナイトタイムエコノミー推進協議会(JNEA)を発足させ、事業の選定からディレクション、コーチングをおこなっている。
「モデル事業については、ナイトクラブ以外にも地域には多くの夜の体験があるということを示す必要がありました。そのため、具体的な事業ポートフォリオが描け、バリエーションが多様になるような13件を採択しました。たとえば博多では、ラグビーワールドカップに合わせて神社でアートを展示するナイトミュージアムを開催しました。富士山の5合目の近くにある富士吉田では、富士登山に訪れる多くの外国人観光客に遊びに来てもらえるようにと、かつて繊維業で栄えていた頃に賑わっていたスナック街をかっこよくリノベーションしたところ、多くのメディアにも取り上げられ大成功を収めました」。
このようにさまざまなパターンの事業をつくり、現在は横展開していくためのナレッジ集を作成しているという。また、これらの実績を広めるため、「PLAY TOKYO」というプロジェクトで各モデル事業の動画制作・配信もおこなっている。
■A Night in Amanohashidate
■Farmer's Market @UNU
■Edo Iki Night | Night Cruise around Sumida-River
■Tokyo Music Night Out@Shibuya
■Tsuki no En | Kushida Shrine Night Party
■EDO TOKYO YOICHI | Night Market@Kanda Myojin Shrine
■After MICE | Federation of Food and Entertainment
■Beppu Hell’s Night
■Osaka River Go Round!
■JAPAN RAINBOW NIGHT OUT
■Standup Comedy Show in Asakusa | Funny Japan Project
■Traditional performance arts “Nohgaku” and cultural experience
■Fujiyoshida Kanpai Street
ナイトタイムエコノミーの変化によって生まれる新市場
齋藤 貴弘
一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 / ニューポート法律事務所パートナー弁護士
2006年に弁護士登録の後、勤務弁護士を経て、13年に独立。16年にニューポート法律事務所を開設。個人や法人を対象とした日常的な法律相談や訴訟業務を取り扱うとともに、近年は、風営法改正を主導するほか、ナイトタイムエコノミー議員連盟の民間アドバイザリーボードの座長、夜間の観光資源活性化に関する協議会の委員を務めるなど、各種規制緩和を含むルールメイキング、新規事業支援に注力している。著書に『ルールメイキング: ナイトタイムエコノミー』で実践した社会を変える方法論」がある。
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