EVENT REPORT

Jul 2017

国・文化を知り、人を知る。
新興国マーケット戦略 ~インド・タイ・インドネシア編~

今後、さらなるスピードでマーケットの拡大が予想される新興国。この成長市場を狙って、様々な企業の新興国ビジネスへの進出が相次いでいる。

こうした新興国におけるビジネス戦略を考えるため、グローバルビジネスの第一線で活躍する株式会社gr.a.mの代表取締役 谷村真さんを迎え、イベントを開催した。

マーケットはアジアの時代へ

マーケットはアジアの時代へ

現在、急成長市場とも呼ばれているアジア新興国。こうした経済成長を背景に、世界中の企業がいまアジアに注目している。

「現在の実質経済成長率だけを見ても、アジア新興国の急成長ぶりは一目瞭然です。また、2050年のGDP予測を見てみると、日本はインド、インドネシアに抜かされるどころか、差をつけられることとなり、他のアジア諸国との差も縮まっていきます。このようなことから、日本企業はこの10年で主戦場を海外へと移していくのは当然のことであり、そのなかでアジアマーケットは日本企業の『成長エンジン』となってきます」。

一方で、こうしたアジア新興国の急成長は、海外展開における競争環境を激しくしており、その国やその国の都市の実態を把握した、新たな戦略が必要になってくると、谷村さんは話す。

アジアマーケット参入における「3つの視点」

アジアマーケット参入における「3つの視点」

アジアマーケット参入における「3つの視点」

「アジア新興国で活躍する企業のなかには、ここ10年の売上高を何十倍にも伸ばしている外資企業もいます。こうした企業は『自分たちが新興国を作った』という自信に満ち溢れて、なにごとにもチャレンジングです。海外進出においては、こうした企業と戦っていかなければならないのです」。

日本とは異なった競争環境の新興国で戦うためには、従来の成功体験や概念は一度リセットした上での戦い方が必要だという。そして、こうしたアジア新興国のマーケットに参入する際に、特に押さえなければいけない3つの視点を、谷村さんは教えてくれた。

①規制:外資規制、業界規制、製品規制といった法規制を可視化する。
新興国では規制が曖昧だったり、急に変わったりする。規制緩和後すぐに参入して成功することもあれば、逆に魅力的なマーケットに見えても規制が厳しく、参入すれば失敗することもある。そうした点を機微に捉え、法的に実現可能なスキームを作るために、柔軟に戦略を変えていかなければならない。


②産業:業界構造、産業構造、流通構造といった産業を可視化する。
その地域の産業に関わる構造を理解し、自身の立ち位置を定めていかなければならない。流通構造を例にとってみても、業界によっては、非常に複雑なレイヤーだったり、逆にシンプルだったりとさまざまだ。そのレイヤーのなかでの立ち位置によって、顧客や競争企業、パートナーが変わってくる。


③企業:顧客、パートナー、競合といった企業の実態を可視化する。
新興国において、確実な市場規模を抽出するデータは存在しない。そのマーケットを構成する企業や業界の実態から、マーケットを推測していいかなければならない。

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国・文化を知り、人を知る。
新興国マーケット戦略 ~インド・タイ・インドネシア編~

谷村 真

株式会社gr.a.m 代表取締役兼CEO。関西学院大学卒。2002年から13年に渡り海外、特に新興国へ進出する日系企業及び既に進出している日系企業を対象に調査・コンサル業務を提供。産業調査分野において1000社以上の調査・コンサルプロジェクトに携わり、グローバルビジネスにおける第一線で活躍。自治体・各種団体・企業セミナー等実績多数。

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