EVENT REPORT

May 2017

「デザインシンキング」を学ぶ

デザインシンキングの実践に必要な3つの「P」

デザインシンキングの実践に必要な3つの「P」

デザインシンキングの実践に必要な3つの「P」

スズキ氏は、デザインシンキングの実践において、Process(プロセス)・People(人材)・Place(場所)という3つの「P」が必要だと話す。

●Process(プロセス)
「デザインシンキングでは、順を追ってプロセスを実施したからといって、良いアイデアが生み出される訳ではありません。プロセスにおいて大事な内容を出来るだけ素早く何回も繰り返していくなかで、アイデアを洗練させていくことが、最も重要なことです」。

スズキ氏は、続けてデザインシンキングのプロセスのなかで中核となる3つの内容を教えてくれた。

①自分自身でも気づいていないユーザーの本音(インサイト)を掘り起こす。
ユーザーの発言を鵜呑みにするのではなく、その延長線上に本当はなにを欲しているかを探り、ユーザーの文脈で理解することが必要となる。

②抽出した様々なインサイトを集めて統合し、新しいアイデアを練る。
ユーザーからの情報やデータだけではなく、市場や社会のトレンドなど、幅広い情報を総合して「意味あるインサイト」を抽出し、アイデアにつなげなければならない。

③新しいアイデアをユーザーに検証してもらうためのプロトタイプを迅速に作る。
作るものを考え過ぎて時間を取ることなく、まずは手を動かすこと。考えながら作る、作りながら考えることが必要となる。

●People(人材)
「私自身、さまざまな国でプロジェクトを見てきましたが、日本人でよく見られる問題点は、分析麻痺の状態に陥ること。つまり思考回路の中だけで、ぐるぐるとアイデアを回すだけでなかなか手を動かさない。“考えること”と“実行すること”のバランスをチームで取ることは、プロジェクトの成功の鍵となります。そのためには、エンジニア、マーケッター、リサーチャー、デザイナーなど、多種多様な専門知識を持つ人材でチームを構成することが理想となります」。


●Place(場所)
「まずは、ユーザーとなる顧客の生活の身近に、アイデアのインスピレーションとなるインサイトを多く得られる接点を多く持つこと。また、物理的なスペースの作り方としては、討議する時のみ集まる形は一番ダメ。できればチーム占有のスペースを作り、プロジェクトの進み具合に応じて、作業や討議がやりやすいよう柔軟にスペースを変えていけることが望ましいです。スタンフォード大学をはじめとして、デザインシンキングを教えている大学では、基本的にチームスペースしか作りません。デザインコンサルティング会社のIDEOのオフィスでは、キャスター付きの家具などで、チームメンバーの変化に応じてワークスペースを変えられるようにしていたと思います。新しいアイデアを生み出せそうなオープンな雰囲気づくりや、新しいアイデアを閉ざすような環境に見えないようにすることも必要です」。

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「デザインシンキング」を学ぶ

スシ・スズキ

京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab 特任准教授。
スタンフォード大学で、デザインシンキングを学び、大学院終了後、同大学の産学連携プログラムME310のプログラム・ディレクターや、パリでのd.schoolの 設立に従事。ビジネス領域でも、Panasonic Europe のイノベーションチームの立上げや、日系ベンチャー企業、ドイツ企業の製品コンセプト開発に携わる。大学で教える傍ら、SLUSH Tokyo や、Startup weekend Kyotoなどのスタートアップイベントを精力的にサポートしており、グローバルに活躍できる若手起業家の教育にも力を注いでいる。

 http://www.d-lab.kit.ac.jp

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