EVENT REPORT

Apr 2022

文系でも分かる!AIの最新動向
今日から使える!AI実践

AIの民主化

AIの民主化

「AIは、超大規模データが取れる一部の企業だけのものではなく、中小企業でも活用ができる。このためには、広くAIが構築できる場を提供することが大事です。」と話す瀬々さん。

世界でAIをけん引するAndrew Ngも、会社を立ち上げて製造現場向けノーコードAIを開発している。AI構築のトライ&エラーを誰でもできるようにノーコードやレスコードのAI開発が進んでおり、瀬々さんたちヒューマノーム研究所でもリリースしている。

「例えば製造現場の外観検査で、AIを活用しようとすると、現在のAI構築プロセスだと最初に数千枚から数万枚の画像が必要になります。特に本来見つけたい対象である不良例となる画像はほとんど無いため、我々も、精度良いAIが作れるか事前にはわかりません。そうした現場で、ノーコードのAIを用いると、数十枚という少数の画像でもスタートでき、自分たちが望んだAIが構築できそうか試しながら進めることができます。いきなり大規模データ収集からスタートするのではなく、小さな試行錯誤を繰り返し、自社に合ったAIを構築していくほうが良いのでは、という想いから、私たちは『Humanome Eyes(プログラミング不要の物体検知システム)』をつくりました」。

こうした社会実装が着々と進む中、AIは人と融合し業務改善が目指せるものになってきている。

続いて、実際にAIをつくり、利用することを学ぶために、イベントの後半では「Humanome CatData(文房具のように使える表データ向けのノーコードAI解析ツール)」を使用し、販売促進データ解析のAI構築を行った。

参加者からは、「最近のAIの潮流が理解できた」、「実際にAIを構築することで自分でも使用するイメージができた」と好評を得た。さらに、「具体的に業務内でどのような利用シーンがあるか、といった課題感を持つ必要がある」といった、実践に向けた感想も出て、AIの入門として、知識と発見を得る機会となった。


<Feb, 2022 新居 未知子(WAO事務局)>

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瀬々 潤

1976年生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科博士(科学)。東京大学助手、お茶の水女子大学・准教授、東京工業大学・准教授、産業技術総合研究所・研究チーム長を歴任。2018年から現職。産業技術総合研究所人工知能研究センター招聘研究員や、東京医科歯科大学 特任教授などを兼務。
専門分野 は、機械学習・数理統計の手法開発および生命科学の大規模データ解析。

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