EVENT REPORT

Oct 2017

~現代美術家と考える~これからの「アート市場」

文房具店でよく見かけるカラフルな “丸シール”を使い、夜景を中心とした現代の風景を独自の発想で表現し続ける、現代美術家の大村雪乃さん。

今回のWAOでは、現代アートを取り巻く環境を学び、これからの「アート市場」の可能性を考えていくため、大村さんを迎えてイベントを開催した。

現代アートとはなにか

現代アートとはなにか

現代アートとはなにか

イベント冒頭、大村さんは「現代アート」について、このように説明した。

「現代アートとは、紀元前から長く続くアートの歴史の次の1ページを作る最先端の現場のことです。現代アーティストとは、現在の社会的問題や過去の問題、美術の歴史について自らが感じたことや、美や愛や死などの普遍的なテーマを、作品という形で社会に発表し続ける人たちのことです」。

さらに大村さんは、田中功起氏、ダミアン・ハースト氏といった、いまを代表する現代美術家の事例を紹介してくれた。

自身も現代美術家として活躍する大村さんは、誰もが見たことのある安価な“丸シール”を使って豪華さの象徴である現代の風景を再現し、金銭的な価値観の矛盾や大量消費社会に一石を投じる作品をつくり続けている。

そんな大村さんの作品は、近年メディアからも注目を集め、海外からも高い評価を獲得するほどだ。また、作品の明快さに加えて、シールを貼るだけで作品が出来上がっていくシンプルな作業による制作プロセスは、子どもから大人まで楽しめるため、企業や地域からワークショップなどのイベント依頼が後を絶たないという。

21世紀のアートを取り巻く環境

時代とともに変化し続けるアートの世界。写実的な表現が大前提だった18世紀から、風景を見たときの印象をそのまま絵画にしていく印象派が登場した19世紀、“アートとはなにか”という問題を様々なアプローチで答えていくことによって、抽象画が誕生し、絵だけではなく、彫刻や映像、インスタレーション(空間演出)が登場してきた20世紀。そして、21世紀は「グローバル化に伴い、世界中のあらゆる作品を気軽に観ることができるようになったことによって、アートを取り巻く環境が変わってきた時代」と話す大村さん。

「毎年世界中でさまざまなアートフェアが開催され、数多くの作品が売買されています。高度な文化教育の発達によって、多くのクリエイターやアーティストが登場しやすくなり、私たちは、以前よりアートを身近に接することができるようになりました。なにより一番の変化は、アート作品を高額で売買する巨大産業ができあがったことでしょう。アートは自分の教養を磨くための道具としてだけではなく、さまざまなビジネスシーンで利用できるようになりました」。

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~現代美術家と考える~これからの「アート市場」

大村 雪乃

現代美術家。2013年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業。在学中より文房具の丸シールで夜景を表現する絵画を発表し、素材の意外性とビジュアルの美しさで2012年Tokyo Midtown Awardのアート部門にて入選・オーディエンス賞を受賞。
現在は、丸シールで絵を描く独自の発想で夜景を中心に表現していくと共に、シールを貼るだけで絵を描くワークショップを開催して多くの人に表現する楽しさを伝えている。

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