EVENT REPORT

Aug 2021

“本当に戦えるリーダー”になるには

これからのリーダーに求められること

ここまでの話を受け、これからのリーダーに求められることとして、適時適切な意思決定ができる組織能力を高めることや、個人としてのポジションの取り方、論理力・人間力・倫理力という3つの力といった話があった。その中で、3つの力の“人間力”について木村さんは次のように語った。

「果敢な意思決定をすればするほど社内に敵をつくりますが、その敵をつくるということを厭わないでください。改善型経営の世界観においては、リーダーは皆の最大公約数をとって、これだという落としどころをつくる人だったため全員から好かれました。ところが改革型の意思決定は何を残して何を捨てるかといったような苛烈な判断をしていく事なので、捨てられる側からすると目の敵です。ですが長い目で見たら『あの時あの判断をして良かったね』となることなんですよね。つまり一時は完全に嫌われるけれど、長い目線で見たら感謝される。そちらの選択をすることができるかが、今まさに皆さんに問われていることだと思ってください」。

最後に本イベントの参加者に向けて、明日から考えてもらいたいこととして以下の項目が示され、講演は締めくくられた。

●ポジション取り
・常に自分の意見を表明する
・特に上位者に対して、反対の意見の場合には反対のポジションをしっかりとる

●ストレッチ視点
・役員になったら、社長になったらと言わず、常に「自分で判断する」癖をつける
・自身の背負っている組織と事業部の全体最適、両方の視点を持つ

●ネットワークづくり
・いざとなった時に腹を割って話せる戦友をつくる
・特に社外でのビジネスネットワークをつくる

終了後、参加者からは「背筋が伸びた。50年先、100年先も継続している会社を目指して、まずは自分の周りの小さな変革からでも推進していきたい」「話もわかりやすく、自社にいるだけでは気付けない視点で非常に良かった」「これからリーダーとして進む上で重要な視点を得られた」といった感想が寄せられ、イベントは盛況のうちに終了した。

尚、今回のイベントでお話しいただいた内容は、木村さんの著書である『ダークサイド・スキル』でもより詳しく知ることができる。興味のある方にはぜひ目を通してみてほしい。

→『ダークサイドスキル』


<Aug, 2021 鈴木 潤子(WAO事務局)>

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“本当に戦えるリーダー”になるには

木村 尚敬

㈱経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー) マネージングディレクター

ベンチャー企業経営の後、日本NCR、タワーズペリン、ADLにおいて事業戦略策定や経営管理体制の構築等の案件に従事。IGPI参画後は、製造業を中心に全社経営改革(事業再編・中長期戦略・管理体制整備・財務戦略等)や事業強化(成長戦略・新規事業開発・M&A等)など、様々なステージにおける戦略策定と実行支援を推進。
IGPI上海董事長兼総経理、モルテン社外取締役、りらいあコミュニケーションズ社外取締役
Japan Times ESG推進コンソーシアム アドバイザリーボード
慶應義塾大学経済学部卒、レスター大学修士(MBA)、ランカスター大学修士(MS in Finance)、ハーバードビジネススクール(AMP)

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