EVENT REPORT

Mar 2020

ナイトタイムエコノミーの変化によって生まれる新市場

観光消費増加の鍵は外国人の目線

観光消費増加の鍵は外国人の目線

一方、観光客数の増加に比べて横ばいが続く観光消費をどう増やしていくかという課題もある。これに対し齋藤さんは、日本ならではの洗練された観光をつくっていくべきで、そのためには外国人の目線が非常に重要だと話す。

「日本人は職人的というか、別に外から褒めてほしいというわけでもなく無自覚に良いものをつくっている。そんな日常の生活の中に入り込んでいて、私たちにとっては当たり前すぎて気づけない文化的な価値を教えてくれるのが外国人なんです。最近オーセンティシティ(真正性)やローカルといったキーワードが観光の中でもよく出てきます。これは、日本人目線というよりはむしろ外国人がどの部分を評価してくれるのかということを理解して捉えた方がいい。日本人のライフスタイルが感じられるような“本物の観光体験”を演出していくことが日本の目指すべき観光なのかなと思います」。

日本には可能性を秘めたコンテンツは無数に存在しており、ただそれが商品化されていなかったり、知られていないだけだという齋藤さん。そのため、既存のコンテンツを使って“どんな面白いことをしてやろうか”という熱意とアイデアを持ったクリエイティブな人材をどれだけ巻き込めるかも鍵となると話す。しかし、その一方で別の難しさも残ると齋藤さんはいう。

「調査事業の結果を見ていると規模の小さいところの点数がとても高いんです。なぜならオーセンティシティがリアルにあるから。横丁とか狭いところでも飲み食いしている理由もそれです。逆に規模が大きくなってくると収益性や効率性を考えていくあまり、いびつなものを削り取っていきがち。そうすると観光体験的にはそれなりのものになってしまうという難しさがあります。そのためにも、小さいところをいかに守りながら成長させていけるかというスタートアップ的なエコシステムも必要なんだと思います。だから私たちは、起点が夜であるというだけで、都市開発や地域活性の話と観光と文化、これをどう連結させ、成長させるかという仕組みをいままで考えてきました。そして、これからも考えてきています」。



<Mar.2020 鈴木 潤子(WAO事務局)>

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ナイトタイムエコノミーの変化によって生まれる新市場

齋藤 貴弘

一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会 代表理事 / ニューポート法律事務所パートナー弁護士

2006年に弁護士登録の後、勤務弁護士を経て、13年に独立。16年にニューポート法律事務所を開設。個人や法人を対象とした日常的な法律相談や訴訟業務を取り扱うとともに、近年は、風営法改正を主導するほか、ナイトタイムエコノミー議員連盟の民間アドバイザリーボードの座長、夜間の観光資源活性化に関する協議会の委員を務めるなど、各種規制緩和を含むルールメイキング、新規事業支援に注力している。著書に『ルールメイキング: ナイトタイムエコノミー』で実践した社会を変える方法論」がある。

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