EVENT REPORT

Mar 2022

社会インフライノベーションの現在地
デジタルツインとAIが実現するサスティナブルな未来

今回のWAOでは、AI、IoT、デジタルツイン…等、先端のデジタル技術を活用し、業界のDXに取組む企業に着目。株式会社グリッドの照井さんにお越しいただき、生活や産業の基盤となる社会インフラ業界のDXビジネスの実態についてのお話しから、デジタルツイン技術とAI技術の融合による業務効率と持続可能な社会の実現事例のご紹介をはじめ、デジタル技術の実装化のポイント、重厚長大な印象のある社会インフラ事業に取り組む際の姿勢や戦略について学んでいく。

AIをビジネスにする

AIをビジネスにする

株式会社グリッド(以下:グリッド)は2009年創業のスタートアップの会社で、社会インフラ事業において、テクノロジーを使ったイノベーションを起こし、“インダストリアルAIのトップランナーになる”というヴィジョンをもった会社だ。

グリッドは、得意先の物理空間をデジタル空間に写像し、そこにAIで最適化をかけるという一つのアプローチを強みとしている。こうしたAI事業に取り組む背景には、会社の歴史が関係している。

創業した2009年から6年は、グリッドにとって「社会インフラノウハウ蓄積時代」にあたる。太陽光ビジネスを展開し、事業を確立していたが、2015年に改正FIT法成立後、太陽光ビジネスで培ったIoT技術をもとにAI事業に転換したという。
「太陽光事業で創業したことは大きなことで、AIに転換した後も、単純にアルゴリズムだけを追求するのではなく、事業をしていく、ビジネスをしていく、という意思をもった会社になったと思っています」と照井さんは話す。

そうして2015年からグリッドは「AI思考錯誤時代」に入っていく。
「いわゆるAIバブルの時代です。たくさんPoC(Proof of Concept:概念実証)の案件を受注していましたが、 評価されても次に繋がらずに終わってしまう。これはまずいと自問自答し、AIを活用してもらうには、収益に影響していかないといけないと気づきました」。

そうした試行錯誤の時代を経て、2019年から「AIの価値に気づく時代」に入り、グリッドは、AIによる組み合わせ最適化を、社会インフラにおける計画業務に適用させる事業にシフトしていった。

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社会インフライノベーションの現在地
デジタルツインとAIが実現するサスティナブルな未来

照井 一由

株式会社グリッド AI事業本部 取締役本部長
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社にてAI主管部署を立ち上げ、幅広い分野でのAIビジネス活用推進に貢献。
2020年より、社会インフラに特化したAI開発を行うベンチャー、株式会社グリッドのAI事業本部取締役本部長に就任し、世界に先駆けてIndsutrial AI市場の拡大をリード。

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