EVENT REPORT

Jan 2018

~“ありのまま”の水中世界を伝え続ける~
水中写真家が切り撮る『自然』の魅力

自分の写真を見て、まずは好きになってもらえたら

自分の写真を見て、まずは好きになってもらえたら

自分の写真を見て、まずは好きになってもらえたら

古見さんが作品を通して人々に伝えたいこと、受け取ってほしいことは何なのか尋ねると、「理想を言うと、ですよ。」という前置きと共に語ってくれた。

「一番は、僕の撮った生き物たちの写真を見て、『魚、かわいいな』、『海がきれいだな』って思って、好きになってもらえたらいいなと。それって結果的に、環境保護に繋がっていくと思うんです。だって好きだったり、大切に思っているものは壊そうとしないですよね。僕が直接『自然を守ることが大切なんだ』ということを訴えるよりも、写真を通して“かわいい”とか“好き”っていう気持ちが先にきてくれたら嬉しいなと思っています」。

真っ直ぐな、熱い眼差しで会場に語りかけていた古見さん。魚が好きで水中写真家になった彼だからこその、こうあってほしいという願いなのかもしれない。最後に、これからの活動や目標について教えてくれた。

「今取り組んでいる大きなテーマに『日本の海』があります。世界中の海に潜ってきて今改めて感じているのは、日本の海の多様性は本当にすごいということ。いろいろな要素が相まって、他にはない環境や生き物たちの暮らしができあがっているんです。まだ少し時間はかかるかもしれませんが、世界に誇れる日本の海の素晴らしさをちゃんと表現した作品をつくって、たくさんの人に伝えていきたいと思っています」。

トーク終了後には、参加者からの感想や質問が交わされ、イベントは終了。参加者からは「自分の“好き”を突き詰めて今のポジションがある古見さんの姿勢がかっこいい」「写された魚が魅力的ですごく好きになった」「魚にも社会があることが伝わってきた」といった多数の感想が寄せられた。


<Jan.2018 鈴木 潤子(WAO事務局)>

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~“ありのまま”の水中世界を伝え続ける~
水中写真家が切り撮る『自然』の魅力

古見 きゅう

東京都出身。本州最南端の町、和歌山県串本にて、ダイビングガイドとして活動したのち写真家として独立。現在は東京を拠点に国内外の海を飛び回り、独特な視点から海の美しさやユニークな生き物などを切り撮り、新聞、週刊誌、科学誌など様々な媒体で作品や連載記事などを発表している。
2015年にはウミガメを題材とした写真絵本「WAO!」(小学館)、世界中の海の情景をまとめた「THE SEVEN SEAS」(パイインターナショナル)、ミクロネシア連邦チュークの海底に眠る沈船を、9年に渡り記録したドキュメンタリー写真集「TRUK LAGOON」(講談社)の全くテーマの異なる3冊を上梓した。
日経ナショナルジオグラフィック写真賞2016ネイチャー部門最優秀賞受賞。

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