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Feb 2017

自らのチャレンジ数が事業の強みを拡大する

水代 優( グッドモーニングス株式会社  代表取締役社長 )

共有体験のつながりを生むための“場づくり”といった編集力が水代さんたちの事業の強みとなっているのですね。

共有体験のつながりを生むための“場づくり”といった編集力が水代さんたちの事業の強みとなっているのですね。

(水代氏)そうですね。さらには、その“場づくり”のチャレンジ数が僕たちの強みを大きなものにしてくれています。

具体的に何が強くなっていたかというと、コンテンツをメディアとして取り上げて終わりではなく、つながりを広げていくことのできる「集客」と「販路」です。

僕たちは年間140回以上のイベントの企画・運営をおこなっています。そのイベントの中身は様々で、歌舞伎や地域食材、アートなどをテーマとしたワークショップやマルシェなどのイベントをおこなっています。このような数多くのイベントをおこなっていくことによって、最初はイベントのテーマや登壇者を目的として来場いただいた方も、次第に「グッド―モーニングスのイベントってなんか面白いよね」ってことになって、僕らのイベントのリピーターになってくれています。こうしたことが次のイベントの集客につながっています。

販路については、浅草で運営している「Café M/N」や百貨店と協働している南青山の会員制サロン「3rd_Page」などがあります。ここでは、地域で発掘した食材をお客さんに提供したり、ワークショップをおこなったりしています。ただ、これらの飲食店やコミュニティスペースは最初から自社の販路にしようとして立ち上げたわけではなく、当初は“場づくり”の一つのプロジェクトとして立ち上げてきました。それが色んな方たちとの仕事をご一緒することによって、販路としての可能性に広がっていきました。

自身も自社のファンであることを大事にする

“場づくり”の中心でチャレンジし続けることによって、グッドモーニングスのつながりも広がっていき、そのつながりが事業の可能性を広げているのですね。

“場づくり”の中心でチャレンジし続けることによって、グッドモーニングスのつながりも広がっていき、そのつながりが事業の可能性を広げているのですね。

(水代氏)あまり、自分たちが中心にいると意識したことはないですが、そうかもしれませんね。

“場づくり”のコンテンツを企画するときに僕たちが重要視していることは、「自分はそのコンテンツにワクワクしているのか」です。だから、まずは身内の盛り上がりを信用するところからスタートします。例えば、他の方にこのコンテンツは20代の女性に人気があるからと言われても、自分たちがそのコンテンツにワクワクしなければ扱いません。なぜなら僕たちは、ただイベントを企画するだけでなく、その後の運営もおこなっていかなければならないので、そこには自分のワクワク感がないと、僕たちが意味する“場づくり”は達成できないからです。

僕たちも、グッドモーニングスが起こす“場づくり”のファンの一人であるという視点を大事にしています。そのワクワク感を持って仕掛ける“場づくり”がグッドモーニングスにとってのつながりを広げ、事業の新たな価値を生んでいる一つの要因になっているといえますね。

ADVISE

新事業創出に向けた水代さんからのメッセージ

“リスクを恐れて何もやらない”が事業創出の最大のリスクとなる

自らのチャレンジ数が事業の強みを拡大する
自らのチャレンジ数が事業の強みを拡大する

水代さんは自身が新たな事業を考えるときには、まずはマーケットに対してのスモールスタートの実践を繰り返すことを心掛けていると話す。

「“場づくり”のための店舗を開業しようと考えたとき、まずはその出店地域でマルシェなどをおこない、販売の実践を繰り返していきます。そこでは売上だけでなく、どのような人が住んでいるのか、どのようなモノが売れていくのかを見ていき、そうした状況から、店舗の開業という手法が本当に最適なのかを改めて考えていきます。店舗の開業はあくまでも目的達成のための“場づくり”の手段であって、もしかしたら違う手段の方が最適な場合がありますから」。

また、スモールスタートには事業化に向けての大切なノウハウを発見できる貴重なステップだと水代さんはいう。

「僕らのスモールスタートは『Plan・Do・Error・Act』を繰り返すことです。意外と良い評価だけを探して、エラーって見なかったことにしてしまう人っていますよね。けど、スモールスタートをするうえでは、このエラーが大事なんです。成功の理由はそのときの環境で違ってきたりしますけど、失敗の理由は明確にできることが多く、その明確にできる理由が事業化に向けた大切なノウハウとなっていきます。確かに失敗を考えてしまうことはリスクを考えることでもあり、尻込みしてしまうこともあるかと思います。けど、一番のリスクは“リスクを恐れて何もやらない”ことです。そこには次につながるノウハウも何も溜まりません」。

<Feb.2017 小出 伸作(WAO事務局)>

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PROFILE

水代 優(グッドモーニングス株式会社 代表取締役社長)

飲食店勤務などを経て2002年に「IDEE」に入社、数々のカフェ兼ライフスタイルショップの立上げや町づくりなどを数多く手掛ける。その一環として、丸の内の新東京ビル内に「倶楽部21号館」「丸の内カフェ」をオープンさせ、2005年からはジェネラル・マネージャーも務める。2012年には「good mornings株式会社」を設立し独立。
東京・丸の内や神田、浅草を始めとし、食とデザインにこだわった全国各地の地域おこしの拠点づくりなどを手掛ける。


グッドモーニングス株式会社(goodmornings.co.jp)

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